この4月より、非常勤講師として都内の調理栄養専門学校の非常勤講師と
なりました。
国際ビジネス科という1年制の外国人留学生クラスで
「日本語コミュニケーション」の授業です。
日本語学校では学ばない、食の現場での礼儀作法や
道具、食材を教えることから
日本語検定試験突破のための予備校よりの特訓もやります。
海外で「日本語で日本の歌を歌うこと」が私のミッションであり、
学生時代は国語国文専攻であったこと、辻学園で料理教室の助教員経験が
あることで
私にぴったり!と喜んでお引受けしました。
「教える」つもりで受けた仕事でしたが、日本語の難しさの再確認、
そして、外国人が集まれば、教室の中という
小さな小さな国際社会であることを学びました。
このクラスには来年度、調理師免許取得コースに入学するための
準備としてだけでなく
日本の大学、大学院受験準備中の生徒もいるのです。
そして、年齢も、経済状態も、出身国も、日本語のレベルもまちまちです。
生徒の数は33名なのですが
ロールプレイングの時「同じ出身の人で、かたまらない!」
を何度連呼したことか。
せっかく、海外の学校に来ているのだから、
違う国から来た仲間と友達になること。
自分の国にいたらなかなか出会えない、貴重な場であることを力説しましたが
そんな単純な問題ではなかったのです。
私たち日本人ですら、経済力、良識の尺度が似た人同士が集まりがちです。
使う言葉が違い、アルバイトで学費を稼ぎながら、仕送りもしている生徒と、
アルバイトはしておらず、シェイクシャック(バーガー、ポテト、
ドリンクで1,000円以上するアメリカで人気のハンバーガーショップ)
のテイクアウトを
お弁当として食べている生徒の話が合うわけがないのです。
時間は1年しかありません。
まして私は担任でもないのです。
「個々の事情に歩み寄ること」というのが私の出した答えでした。
でも、本当はもったいないことです。
日本にいる以上、みんな平等なのです。
理想と現実の狭間で、来年度の生徒たちのクラスにどういうスタンスで
接するのか、私の中の課題です。