この度のブログを担当させていただきます。
内科医・産業医の池田和子です。
昨今、COVID-19(新型コロナウィルス)のために、かなり制限のされた生活を強いられることになっています。
特にマスク着用は、この酷暑の時期にはかえって体調不良を起こしてしまいます。実際、厚生労働省のホームページでは熱中症の予防のために外ではマスクを外すことを伝えています。それでもジョギングの際にマスクをして走っている人、早朝でほとんど人の出がない場所においてもマスクをして散歩されている方を見ます。
いかなる場合のおいてもマスクをしないようにと、いうつもりはありません。しかし、本来の目的を見失ったような使い方をしていては、大事なことをなくしてしまうのではないかと思うのです。
マスクは本来何のためにするのでしょうか。自分自身に咳が出る、あるいは花粉症で花粉の暴露を防ぎたいということでマスクをすることがあるでしょう。
しかし、昨今のマスクの目的は、人の目を気にして、あるいは風評被害予防でしているように見受けられます。
つけろを言われているから、とりあえずする。もちろん当初は感染予防(自分に対しても、また誰かに移してはいけないと)でつけていたかもしれません。
昨年あるいは数年前のインフルエンザ流行時期に、何ら自覚症状もなく元気な時に常にマスクをしていたでしょうか。自ら予防でマスクすることはあったかもしれません。
電車に乗ると、全員マスクをしている、駅構内で電車を待っている人も全員マスクをしている光景は何か映画でも見ている様に感じてしまいます。マスク着用のお願いが放送されたり、ポスターでも告知しているので仕方のないことかもしれませんが・・・
私は自宅にテレビがないので、テレビの情報番組、ワイドショーを見ることがほとんどありません。(出張先や診療所の昼休みなどでちらっと見ることはあります)患者さんや見た人の話などから、この度のウィルスに関することの情報は恐怖を煽る様な報道ばかりなのだなと推察します。
知り合いの医師がインタビューを受け(熱中症予防について)色々答えたものの、熱中症予防にはマスクを外すことが大切だとの答えは見事にカットされていたとのことでした。
患者さんへは、テレビを見ないほうがいいと伝えています。報道を鵜呑みにして自分で考える力を吸い取られてしまいます。さらには報道そのものが真実を伝えていないことは、これまでの歴史でも明らかです。
本来の目的を見失った様な使い方をしていると、大事なことを失ってしまうと、書きました。大事なこと、それは自分で考えるということ、主体的に考え行動するということです。
よくわからないけど、お上のお達しだから、従うしかないと何も考えず受動的に行動していると、いつの間にか、お上の奴隷になってしまいます。しかも奴隷となってしまっていることにすら気づかずに。
COVID-19に限らず、ウィルス感染、あるいはその他の感染、感染症を軽視することはもちろんありません。病原体の感染力、罹患率など総合的に考えることが必要です。医師として、主観と客観をバランスよく対応したいと考えています。
追伸:話題のヨード液でのうがいですが、水うがい群とヨード液うがい群、そしてうがいしない群で風邪の予防を比較したスタディが日本でありまして、風邪を一番予防できたのは水うがい群でした。うがいしない群とヨード液うがい群はそれほど差はありませんでした。 Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial.
Kazunari Satomura 1, Tetsuhisa Kitamura, Takashi Kawamura, Takuro Shimbo, Motoi Watanabe, Mitsuhiro Kamei, Yoshihisa Takano, Akiko Tamakoshi, Great Cold Investigators-I
Am J Prev Med. 2005; 29(4): 302-7.